フルカラー印刷はちょっと高くて、いつもは黒インクや色インクで刷る、1色表紙や本文。たまにはちょっと変わった印象の本も作りたい!と思ったときに、ぱっと思いつくのが2色のインクで印刷する、2色(3色)刷りの本。
でも原稿を作るのが難しそう...などちょっと敷居が高い雰囲気。そこで作り方の注意点などをまとめました。
2色刷りは読んで字のごとく2色のインクで刷る事ですが、2色を一度に刷る訳ではありません。
まず1色目を印刷して、その上から2色目を重ねて印刷します。また、すぐに印刷出来る訳ではなく、1色目を印刷してから1日〜数日は乾燥させるためにおいておく時間が必要です。だから2色(3色)刷りはその分納期も必要になります。
▲ 1色目(例は赤インク)を印刷して⇒乾燥⇒2色目(例は黒インク)を重ねて印刷⇒乾燥させて出来上がり!
紙は湿度などで若干の伸縮があります。印刷して乾燥させる事でももちろん伸び縮みがあります。
1色目を印刷するときと、2色目を印刷するときでは若干紙の大きさが違っている場合があるので、どうしても同じ位置ぴったりに印刷は出来ないのです。1mm〜3mmは誤差が出るものと思ってください。データのようにぴったりと重ねるのは難しいです...。
紙の伸縮は紙1枚ごとによっても違うので、ぴったり印刷できるものもあれば、ずれ幅が違うものもあります。
▲ 主線がもっと太めだったら、多少ずれても気にならないかも?
また、1色目の上に2色目を重ねるので、思った色と違った!なんてことにならないよう注意しましょう。青の上に黄色を重ねたら緑になりますよね?だからといって下の図のように2色目の色の部分を、1色目の原稿で抜いておくと...ずれたときに目立っちゃう事になります。
重ねる順番は基本的には薄い色〜濃い色ですが、順番によって違う効果も...
もちろんそういう効果を狙う目的ならOKですが、原稿を作る際はズレや重ね順などいろいろ考慮してデザインにすることが大切です。
また、インクだけじゃなく、白い用紙じゃない場合は、紙の色も影響しますので、色の重なりには注意が必要です。
▲ 重なる部分を抜いておくと1色目の色の影響は受けないけど、ずれたら...
細い線を重ねるなど、細かい位置合わせには向きません。どうしてもズレたら困る!という場合、精度をもとめるならフルカラー印刷と同様の行程を行う事になって、加算料金がかかってしまいますのでおすすめしません。
せっかくの2色(3色)刷りなので、そういう「味」のある作りを目指す方がいいですよね...?
● サイズはもちろん通常の表紙や本文のサイズでOK。
● データ原稿の場合:色版ごとにレイヤーを分け、レイヤー名に印刷する順番とインク色を記入し、PSD形式で保存してください。(EPS形式で1色ごとにファイル用意してもOK。ファイル名を分かるようにつけてください)
● カラーモード:「グレースケール」か「モノクロ2値」で!
(赤で刷るからといって赤色で作らないでくださいね!)
● 紙原稿の場合:色版ごとに原稿を分けて、余白などに順番とインク色を記入してください。
▲ 色ごとにレイヤーで分けてPSD形式でOK。
(合成イメージはなくても大丈夫です)
いろいろ考える事が多くてちょっと大変に思えるかもしれませんが、多色刷り原稿を作る際は、
それも楽しみの1つとして、がんばって良い原稿を作ってくださいね!
▼ オプション料金などはこちらをご確認ください ▼
【 ⇒ オプション:表紙の2色(3色)刷り 】
【 ⇒ オプション:本文 2色刷り 】