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従来より弊社では、同人誌即売会合わせの印刷物における性表現については、刑法175条や松文館裁判の判例を踏まえた上で
成人向け商業雑誌などを参考に総合的に吟味し、わいせつ図画として頒布不可となる可能性が高いと判断される表現については、
修正範囲を広げる等の対策をお願いしてまいりました。
ご存知の通り刑法175条の「わいせつ図画」については、明文化された基準は存在せず、関係者の逮捕事例や、
これまでに行われた裁判での例を見ながら、主に「性器・結合部への修正を行う」ことで対応してきました。
しかし、その修正も当然ながら法的に「安全・明確」な基準が存在しない以上、常に最新の状況をしっかりと把握されたうえで
創作活動を行っていただくよう、お願いいたします。
以下の内容は、直近の同人誌即売会合わせで印刷予定の同人誌に対する有限会社ねこのしっぽとしての見解であり、
今後の即売会においては、その時点での状況に応じて変わる可能性があります。
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現在は基本的な方針・情勢は大きくは変わっておりません。常に変動する情勢を考慮し、直近の成人向け雑誌を参考に、
ご自身で適切な修正度合いをご判断ください。
当社へご入稿いただいた原稿については、せっかくの作品がなるべく頒布停止などにならないよう、
修正が足りないと思われる場合には
アドバイスや追加をお願いする場合がありますが、
それらはあくまで当社での判断となります。
当社受付でも最新号の雑誌を何種類か用意しておりますので、見たい方はスタッフまでお声がけください。
(1)性器、結合部への修正は「線」ではなく「面」で行ってください。
女性器、男性器、あるいは性交シーンの結合部については、
「性器と見なされる部位、および結合部に対して修正を行う」
のが基本となります。
この際、「細い線を複数並べる形での修正」は、修正が不十分と見なされる可能性があります。
修正は、背後の絵が透けない白抜きまたは黒ベタでの「面」で行うことを強く推奨いたします。
なお、モザイク処理を行う場合は、「輪郭線以外が完全に見えなくなる程度の」粗いモザイクで行ってください。
修正の度合いについては、先述の通り成年向け雑誌の近刊における表現をよくご確認ください。
※現状を鑑みて、参照すべきは「単行本」ではなく「直近の雑誌」であると考えております。
白抜きまたは黒ベタでの修正におきましては、性器と見なされる部位を十分に覆い隠すよう、「複数」入れてください。
何箇所必要かという点については、絵柄の大きさやタッチ(リアルな描写であるか、デフォルメされたものであるか)によって
求められる修正度合いは異なると考えられます。
(2)必ず「奥付」を入れてください。
頒布する同人誌に対する責任の所在を明らかにするため、必ず奥付を入れてください。
奥付にはサークル名、連絡先、発行日、印刷会社名などを記載してください。
奥付が全く無かったり不完全(連絡先不明など)な場合、問題が発生した際に故意に隠したと判断される恐れがあります。
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※「成年マーク」表示とは別の問題です。
今回の注意喚起については、刑法のわいせつに関わる問題です。
これに対し、成年マーク表記などの対策は、いわゆる青少年健全育成条例に基づくゾーニングへの対応となります。
成年マークの有無と、性表現への修正の度合いについては直接的な関係はありませんので、
これらを混同することがないよう、留意してください。
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また、同人誌即売会にて頒布が可能かどうかは、最終的には即売会団体の判断に委ねられますので、
即売会発表にも、必ず目を通してください。