お久しぶりに順番が回ってきました、かいちょうです。
今回は色見本のプリントの仕方を説明しようと思います。
最近のインクジェットプリンターは６～８色以上のインクを使っていてとても奇麗にプリント出来るのですが、通常の
４色で印刷するオフセット印刷よりも色域が広くなっていて印刷機で出せない色まで出せてしまいます。

RGBのデータを、プリンタのおまかせや、きれいに印刷等の設定でプリントされた色に近づけて
オフセット印刷機で印刷したくても鮮やかな緑、オレンジ、紫、等々出せない色が多いです。

そこで考え方を変えまして、印刷機に近い色をプリントする方法を説明します。
前提としてプリンタがメンテナンスされた正常な状態であることが必要になります。
たま～にあるのですが、明らかにインクが切れていて色が出ていないプリントアウトやプリンタのヘッド、ノズル
が汚れていて正確にプリント出来ていないものに「色を合わせて欲しい」というもったいないご要望
（データでは奇麗なのに）もあったりしますので、しっかりメンテナンスはしましょう。

まずお使いのプリンタメーカーの純正用紙（光沢紙、校正用紙）を用意します。
パッケージの裏にその用紙のプロファイルがダウンロード出来ます、のような説明書きがないでしょうか？
このプロファイルというものには、「このプリンターでこの用紙を使うと→このような色でプリントされますよ。」
といった情報が入っています。（メーカーや機種によって違います）
さらにねこのしっぽの印刷機で印刷するとだいたいこんな色になります、というプリント設定をしていきます。
（画面はWinXP、PhotoshopCS2のものです。OSやPhotoshopのバージョンで異なります。）

フォトショップのプリントプレビュー画面のプリントの所でJapan Color 2001 Coatedを選択します。
画像のデータがJapan Color 2001 Coatedで作られていればドキュメントにチェックをいれてもらえれば大丈夫です。
画像のデータがRGBや、CMYKでもJapan Color以外のデータの場合は校正でJapan Colorを選んで下さい。
Japan Colorが選べない場合はアドビのサイトからダウンロードも出来ます。
ねこのしっぽでは（2008年3月現在）Japan Colorを目標とした印刷をしている為、ここで
Japan Color 2001 Coatedを選んで頂く訳です。

続きましてオプションの所で、Photoshopによるカラー処理を選びます。
Photoshopでカラーの処理をしますのでプリンタは勝手に色を変更しないで下さいといったような事です。
プリンタプロファイルでは先ほど説明しました、「お使いのプリンタ+純正の用紙」のプロファイルを選びます。
マッチングは黒点の補正にチェックを入れて、知覚的か相対的な色域～を選びます。
（校正設定にチェックを入れておくとマッチングはさわれなくなります。Photoshopの校正設定の
内容が使用されます。）

設定が終わりましたらプリントのボタンをクリックしてプリンターの設定を変更します。
プリンタのプロパティの画面を開きまして、使用する用紙を選びます。
続いてモード設定の詳細設定から色補正なしにチェックを入れます。
ここが推奨設定やオートファイン、もしくはドライバによる色補正が選ばれていますと先ほどのPhotoshopの
プリントプレビュー画面で設定した色が、プリンタでさらに勝手な色に変換されて意味がなくなってしまいます
ので必ず色補正なしを選びます。メーカーが違ってもやり方はほぼ同じだと思います。

以上の設定をしてプリントするとねこのしっぽの印刷に大きくは違わない色でプリント出来るはずです。
…自信なさそうな言い方ですが、お使いの環境、プリンタの調子、出荷時の個体差、気温、湿度、インクの新しさ、
プリントアウトを見る部屋の照明、ねこのしっぽへの注文の仕様（PP表紙、コート紙、タントetc）等々で異なります。
（本来はダウンロードしたプロファイルではなく個別に計測してプリンタのプロファイルをつくるのですが、個人では
難しいですし、お金もかかってしまいます。）

出力されたプリントアウトを見て、「赤いな～」と思ったら元データのマゼンタを減らす等の調整をして再度
プリントしてみて下さい。暗ければ明るくしてみたり、青が足りないと思ったらシアンを増やしてみるなどで
好みの色に近づけてみて下さい。
（今回はモニターとの色合わせに関しては考えません。モニターは別に調整して下さい。）

不安定な要素が多いので確実な効果は保証出来ませんが、今までのプリントアウトよりは「正しい」色が出せる
と思います。興味がありましたら試してみて下さい。